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使い捨てカイロを長時間使っても大丈夫なんですか?
冬になると使い捨てカイロを使う高齢者の方が増えます。安くて便利で私も冬のゴルフには重宝しています。ただし、皮膚に近いところに長く貼っておくと低温やけどを起こす可能性があります。やけどによるダメージは、〈温度〉×〈その温度に接した時間〉に比例するといわれています。100℃に沸騰したお湯でも、すぐにお湯を拭いて冷やせば、熱にさらされる時間は数秒以内です。しかし、使い捨てカイロなどでは、一晩中、つまり5時間以上熱に接する可能性があるため、低温であっても皮膚やその下の筋肉に対するダメージが、強く深くなります。低温やけどは、それだけに治りにくいといわれています。
人間の体は酵素などの関係で、37℃前後がもっとも適した温度です。患者さんには「カイロで筋肉の焼き肉を作らないように」と冗談めかして注意を促しています。カイロを貼るなら下着などの上に貼ってほのかに温めましょう。温めるための安全な方法は、たとえばおなかや腰であれば、腹巻きを使った自分の体温での保温です。