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こむら返りはどうして起こるのですか?
こむら返りとは、ふくらはぎの筋肉、すなわち腓腹筋(ひふくきん)がつる、けいれんを起こしている状態です。ふくらはぎの部分を昔は腓(こむら)といっていたので、こむら返りというわけです。地方によっては「こぶら」と呼ぶところもあり、こぶら返りともいいます。同様の状態は、ふくらはぎだけではなく、ふとももや手足、首などの筋肉にも起こります。
ありふれた現象ですが、その原因は、じつはまだよくわかっていません。筋肉の伸び縮みのバランスが何かの原因でくずれて、筋肉が収縮したままになります。痛みを伴い、ひどい場合には肉離れ(筋肉の不全断裂)をきたすこともあります。激しい運動の後で筋肉が極度に疲労したり、水泳で冷えて血行が悪くなったり、脱水などで電解質のバランスが悪くなったりして生じることもあります。夜間の睡眠中にもよく生じます。
妊娠中にも、下肢の血行障害や体重増加による筋肉の疲労などからしばしば起こります。高齢者にも多く、夜間や夜明け前、数人に1人の割合で、かなりの頻度で生じています。
病気や薬剤が原因になることもよくあります。糖尿病や肝硬変、腎不全、透析、甲状腺機能低下症などが原因となります。腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)や腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニアによる坐骨神経痛がある場合もしばしばこむら返りが生じます。私も坐骨神経痛があり、よくこむら返りを起こしています。利尿剤などの薬剤を服用している場合に、血液や体液の電解質のバランスが悪くなったりして生じることもあります。