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こむら返りがよく起こるのですがどうすればよいでしょうか?
こむら返りの治療法ですが、応急処置としては、つっている筋肉をゆっくり伸ばします。伸ばす時にかなりの痛みを感じますが、ゆっくりと、けいれんしている筋肉を伸ばしていきます。その後はつった筋肉を温めたり、湿布をしたりします。筋肉の肉離れ(不全断裂)を起こしているようなひどい症状の場合は、しばらくスポーツや激しい労働などを控え、徐々にストレッチを増やしていくことが必要になります。
予防には、普段から、こむら返りを起こしやすい筋肉をほぐすような体操、ストレッチが大切です。睡眠中や夜明け前に起こりやすい場合は、風呂上がりの就寝前に軽くストレッチをしてください。強く揉(も)むのは厳禁です。あらかじめ湿布を貼っておくのもひとつの対策です。
薬剤治療としては漢方薬の芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)が有名です。こむら返りの起こりそうな前、たとえば寝る前に1包飲んでおく、スポーツの前に飲んでおくなど、予防的に服用できます。また、芍薬甘草湯は舌下(ぜっか)などから一部吸収され、即効性があるともいわれているので、こむら返りが生じている最中に服用しても、数十秒から数分以内で効きます。私もよくこむら返りになるので、ベッドの横やカバン、ゴルフのキャディバックなどあらゆる所に置いてあります。いつも持っている手帳にも1包はさんであります。ただし、この芍薬甘草湯は頓服タイプの漢方薬で1日1包〜2包までなら副作用は少ないのですが、1日2〜3包を毎日飲み続けると、低カリウム血症や水が溜まってむくみを生じる副作用があったり、また、アルドステロン症など飲んではいけない病気もあるので、医師に相談しながら慎重に服用してください。
芍薬甘草湯でもこむら返りが取れない時は、さらにデパスなどの筋弛緩作用のある軽い安定剤を追加します。これでかなり軽減しますが、デパスを服用すると、夜間トイレに行く時に、とりわけ高齢の方はふらつくおそれがあるので注意してください。
もちろん原因となる病気がある時は、その原因をまず治療することが一番大切なので、その専門の主治医とよく相談して対処しましょう。