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関節の水を抜くと癖になるのですか?
迷信です。
関節液は元々ごく少量ですが、正常でも関節内に存在します。滑膜という、関節の裏打ちをしている膜から徐々に関節内にしみ出して、また吸収されて循環しています。関節液は、関節軟骨の表面で潤滑をよくする効果と、栄養や酸素を軟骨にしみ込ませていく大切な役割を果たしています。
関節炎や変形性関節症の時に関節に水が溜まるのは、関節の炎症、つまり滑膜の炎症が強い時です。これは、目の結膜炎の時に涙がたくさん出ることと同じように考えてください。涙は目を守るために必要ですが、結膜炎になり涙が多くなると前が見えなくなるので、ぬぐえばよいのです。関節に水が溜まる時も同じです。多少なら心配ないのですが、多ければ関節が腫れて曲げにくいし、関節のカプセルなどの軟部組織が伸びてしまうので、適宜抜けばよいのです。抜いてもまだ炎症があれば、また関節液が溜まります。結膜炎が治っていなければ涙を拭いてもまた涙が溢れるのと同じです。癖ではありません。炎症が続いているからなのです。
また、関節液が溜まっているから関節が痛むのだ、という方がいます。たしかにたくさん溜まると張った感覚があるかもしれませんが、関節液そのものは痛みを生じる原因ではありません。涙が結膜炎のかゆみや痛みの原因ではなくて、むしろそれを緩和するために多く出ているのと同じで、関節に炎症があるから結果として関節液がたくさん出てくるのです。結果なのです。関節液は多いと邪魔ですが、あまり悪者にしないでください。