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注射の後、押さえるのと揉(も)むのとでは、どちらが正しいのですか?
肩やお尻に打つことの多い筋肉注射の後そのままにしておくと、注射液が筋肉の中で筋肉を圧迫して痛いので、液を散らすために揉むようにします。
静脈注射の後は、静脈に注射針の穴が開いているので、そこから出血しないようにじっと数分間押さえます。静脈は手足の先から心臓に向かって血が還ってくるので、注射の穴より心臓に近いところを間違って押さえると、血液がせき止められて、むしろ注射針の穴から皮下に出血することになります。特に静脈が深い時に、注射針が皮膚を貫いてから、少し斜めに皮下を貫き、静脈を貫く位置が皮膚の刺入(しにゅう)部位とずれる場合があるので多少注意が必要です。正確に数分間押さえて止血しないと皮下出血することがありますが、静脈注射の場合はそれほど出血量が多くないので、ほとんど問題になりません。
皮下注射の場合はそのままか軽く揉む程度です。皮内注射の後は揉まないでそのままにしておいてください。
関節内注射や腱鞘(けんしょう)内注射は揉みません。カテーテルなどで動脈穿刺(せんし)をした場合は穴の大きさなどによりますが、圧が強いので10分以上、十分に止血する必要がありますが、この場合は医師や看護師が必ず指示すると思われます。
血液を固まりにくくする薬剤を服用している場合は、注射後の止血をより長く行う必要があります。注射薬の種類によっても、揉むか揉まないか異なることもありますので、詳しくは、注射を打ってくれた医師や看護師にお尋ねください。