日本でもアメリカでもサプリメント、いわゆる栄養補助食品あるいは健康補助食品と呼ばれる商品が流行っています。さまざまなサプリメントがテレビや雑誌などのマスコミで宣伝され、薬局などでも百花繚乱です。ですが、これはあくまで食品であり、薬ではありません。食品は体の栄養素の原料ですが、薬は少量でも大きな薬効をもたらすもので、サプリメントとは大きな違いがあります。
　その中で、変形性膝関節症の場合に用いられる、グルコサミン、コンドロイチン、ヒアルロン酸などのサプリメントについて、本当に効果があるのかよく患者さんに聞かれます。これらはもともと関節軟骨や関節液の成分です。服用したら何となく効果がありそうですが、世界中でグルコサミンやコンドロイチンに関するいろいろな調査・研究が行われ、多くの論文が、軟骨再生や関節痛への効果に否定的です。グルコサミンによる鎮痛効果の可能性はあり、絶対に効果がないとはいい切れないので、より明確な結論が待たれています。
　ただ、私もサプリメントを服用しています。亜鉛などの微量元素を含むサプリメントで、それが体によいと信じて飲んでいますが、それが本当によいのか悪いのかは不明です。