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肩関節周囲炎としての棘下筋炎(きょくかきんえん)、上腕三頭筋炎

※このページは、肩の全般の「肩関節周囲炎」を引用しています。

  整形外科の世界でも少し病名が混乱しています。肩関節の骨や軟骨に異常を認めず、周囲の筋肉や靱帯(じんたい)や腱が炎症や老化や損傷(ケガ)・断裂を単独あるいは複合して生じて、肩の痛みと可動域制限をきたす病気を肩関節周囲炎といいます。最もよく起こる年代が40代、50代、60代なので、四十肩とか五十肩とかいいますが、20代でも30代でも60代でも起こります。最近では、肩関節周囲炎の中に、腱板炎(けんばんえん)、肩峰下滑液包炎(けんぽうかつえきほうえん)、上腕二頭筋長頭腱炎、関節包の炎症、石灰沈着性腱炎などの病気が含まれることがわかり、原因がわかればこれらのより詳しい病名を付けるようになってきました。肩関節周囲炎で特に関節を包むカプセルや筋肉、腱などが拘縮(こうしゅくしている)状態を「凍結肩」といいます。
 それぞれの病気に応じた治療を行いますが、最初の治療は基本的にはほとんど同じです。後ほど述べる 石灰沈着性腱板炎 は、最初の1~2日は痛みが激烈で、少しでも肩を動かすと痛みが走り、夜も眠れないほどなので初めは安静が必要でしょうが、それほど痛みが激烈でない場合は初めから少しずつ動かしていくことが大切です。ほとんどの教科書には最初安静も必要と書かれていますし、安静にするのは心地よいものですが、痛みが耐えられないほどでないのなら、初めから少しずつ動かす方が早く治ります。総論でも述べましたが、苦手な算数も頑張って少しずつ勉強すればいままで解けなかった問題も解けるようになるのです。リハビリも勉強と同じで、できることだけをやっていても進歩しません。できない運動、角度を毎日少しずつ克服することで、1週間、1ヵ月後にはかなり動くようになり、痛みも軽減してくるのです。ふだんの痛みやリハビリ時の痛みには消炎鎮痛剤を服用・湿布し、ステロイドやヒアルロン酸の注射を適宜使えばリハビリが進みやすくなります。どうしても保存的治療で治らないときには手術が必要になることもあります。詳しくはそれぞれの項目を参照してください。

井尻整形外科井尻整形外科

院長/医学博士 井尻慎一郎
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