反復性肩関節脱臼(だっきゅう)
転倒などのケガが原因で肩関節が脱臼し、その後、軽度の外力で脱臼を繰り返す状態です(総論の「脱臼」参照)。最初に明らかな外傷がないのに脱臼を繰り返す場合を習慣性脱臼と呼んで区別しています。ここでは反復性肩関節脱臼について述べます。肩関節は関節が浅いため可動域は大きいのですが、反面、脱臼しやすい関節です。最初に脱臼したときに2~3週間は十分に肩関節を固定し、その後リハビリなどをして2回目の脱臼を起こさないことが大切ですが、2回以上脱臼すると、この反復性肩関節脱臼になる可能性が高くなります。多くの場合、肩関節を外転・外旋位(投球やテニスのサーブの動作)にしたときに起こります。保存的には肩関節の周囲の筋肉の強化訓練を行いますが、常に脱臼するかもしれないという不安があることもあり、若い患者さんの場合、手術を行う方が確実かもしれません。手術法はいろいろあります。