キーンベック病(月状骨軟化症)
手の甲・手のひらの中には手根骨という小さな骨が集まっています。その中央で手関節に近い骨が月状骨ですが、まわりを関節に囲まれているために血管が少なく栄養不足になりやすい骨です。珍しい病気ですが、ハンマーなどをよく使う大工さんなどが手関節の痛みを覚えて来院されたら、このキーンベック病を念頭に置いて診察します。手関節を動かしたり押さえると痛みを生じ、握力が低下することもあります。仕事を休めないことが多いので、痛みが軽度の場合は夜間に装具を付けたり、湿布や消炎鎮痛剤を服用します。月状骨の破壊度が高度になったり、痛みが強い場合は手術をします。