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病気や痛みのとらえ方

 ふだんからできるだけケガをしないように注意しましょう。たとえば信号が赤に変わりそうなときとかバスが停留所を発車しそうなときなどに、あわてて走って足首を捻ねん挫ざ するなどは避けうることです。階段をあわてて下りたり飛び下りないことも大事です。場合によっては大ケガをする可能性もあります。
 いま何か症状があるなら、一度病院を受診して、病気があるかないか自分の状態を確かめましょう。たいしたことがなければ安心できますし、何か病気があれば早く対応するに越したことはありません。
 将来の病気を怖がるのではなく、予防する、注意する、慎重に対応するという気持ちが大切です。たとえば、腰痛で痛みが治ったとき、将来また腰痛になるかもしれないと考えても仕方ありません。ふだんからからだを柔らかくする体操などの予防を怠らず、それでも腰痛になったときには早めに対応すればよいのです。病気の予防は大切です。しかし、いまわずらってもいない病気を怖がる必要はまったくありません。
 起床時に痛くてもしばらくすると痛くなくなる場合は病気と思わないでください。朝起きてから手のこわばりが1時間以上続くときは関節リウマチの専門家を受診してください。しかし数分のからだのこわばりなら中年以降は普通にありえます。
 たとえば変形性膝関節症と診断されたら、あなたはどの程度がっかりされるでしょうか。中年以降によくある変形性関節症はある意味で老化現象の1つです。人間誰もが老化します。私も年々老眼がひどくなって、いまも老眼鏡をかけてパソコンに向かっていますが、特にくよくよすることはありません。白髪も増えてきましたが、友人も同じなので諦めています。変形性関節症や変形性脊椎症は、元のきれいな関節や背骨に戻すことは不可能ですが、その症状である痛みやしびれ、麻痺などは治療をすれば改善される可能性が高いのです。
 また痛みに関しても「痛い痛い」と思い続けるか、「まあまあ」「まし」と考えるかでずいぶん変わってきます。受診される患者さんに1週間前と比べていかがですか、と質問すると、「痛みは残っていますが、ましになりました」「痛みが取れません。以前よりは少しましですが」と2種類の答えが返ってきます。同じように見えますが、前者はよくなったというポジティブな表現で、後者はよくなっていないというネガティブな表現だと感じます。同じ痛みなら、まだ痛いと思うより少しましだと思えるほうが楽ではないでしょうか。
 痛みの治療は後述しますが、一度痛みをゼロに近くすることも大切です。痛みのない状態を知ると、もう一度痛みがぶり返しても楽になることが多いのです。リセットといえるかもしれません。
 だんだん悪化することもある病気に対して、ケガは最初が痛みのピークで、徐々にましになります。たまに骨折の後などに反射性交感神経性ジストロフィーという強い痛みが出てくることがありますが、通常はケガの初日か2日後に痛みや腫れが強くなり、以後は徐々にましになっていきます。

井尻整形外科井尻整形外科

院長/医学博士 井尻慎一郎
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