リウマチ性多発筋痛症
主に50歳以上の方で、肩関節や肩甲部、頚部、股関節、殿部(でんぶ)、あるいはこれらのいろいろな場所に筋肉の痛みを生じる原因不明の病気です。2:1くらいの割合で女性に多く、関節の腫れなどはあまり見られません。赤沈やCRP検査(炎症の検査)が高値を示しますが、関節リウマチ因子は通常高くありません。レントゲン検査でも関節リウマチの変化は見られません。微熱や倦怠感、食欲不振などの症状を伴うことが多く、夜間や早朝に手のこわばりなどをきたすことがあります。最初は左右両方の肩関節周囲炎(五十肩)と診断され、運動療法や
鎮痛剤や注射をしてもまったく痛みが取れず、血液検査で関節リウマチ因子は高くないがCRP検査が高くて、診断的治療としてステロイドホルモンのプレドニゾロンを服用すると劇的に痛みが軽くなって初めて診断がつくことがよくあります。このように治療としてはステロイドホルモンの服用が効果的です。症状にあわせて、プレドニゾロンなら最初1日10mgぐらい服用し、徐々に減量していきます。痛みはかなり強いのですが、予後はよい病気です。
当院でも時々患者さんが来られますが、この病気のことを知らないと、原因不明の痛みとして治療されないままになることもあります。