結核性関節炎
抗結核薬の開発とともに結核は少なくなりました。しかし、日本は世界の先進国の中で結核患者数がとても多い国です。いまでも全国のどこかで結核の集団感染が起きたというニュースが時々流れます。2013年の1年間に国内で結核で亡くなった方は2,084人もおられます。最近では、結核の症例を経験したことがない医師が増えていることや、一般の方に結核の知識が薄れつつあること、抗がん剤やステロイド薬の使用による免疫力の低下、高齢に伴い一度得た結核の免疫力の低下などが原因で、結核感染がなかなか減らないようです。
ブドウ球菌などの一般細菌による感染を「化膿性」、結核菌による感染を「結核性」といい、両者をあわせて「感染性」といいます。
結核性関節炎は一般細菌による感染と異なり、炎症所見が比較的弱いため、初期の段階では診断がつかないこともあるので注意が必要です。
膿から結核菌が証明されれば確実ですが、最近では簡単に結核感染がわかる血液検査(T‒スポット検査やクオンティフェロン検査)が保険適用になり、診断がツベルクリン反応より確実になりました。
治療としては安静と抗結核薬の投与が必要です。必ず整形外科の専門医に診てもらいましょう。同時に呼吸器内科医にも相談します。