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関節リウマチ

 一般に、手足の関節などが腫れたり痛んだりする病気をリウマチ性疾患といいますが、中でもからだのあちこちの関節に炎症が起こり、次第に関節が変形してくる病気を関節リウマチといいます。
 関節リウマチの患者数は日本では約70万人といわれています。女性の患者さんが男性より4~6倍多く、発病年齢は30~50代がピークですが、15歳以下で発病する若年性関節リウマチや60歳以降の発病もあります。
 関節リウマチは免疫機構に異常が生じて自分のからだの成分を外敵と勘違いして反応する自己免疫疾患(膠原病(こうげんびょう))の1つですが、詳しい原因はまだわかっていません。関節の内側にある滑膜(かつまく)が腫れて、やがて関節軟骨や靱帯(じんたい)、骨を障害していきます。ちなみに関節リウマチの原因に遺伝子の影響があることはわかっていますが、必ずしも遺伝はしません。
 関節リウマチの特徴的な症状は、関節の腫れ、朝のこわばり、左右対称の関節で起きることで、最初は1つの関節から発症することもありますが、多くは3つ以上の関節が腫れたり痛んだりします。このほか、血液検査の異常(リウマトイド因子陽性)、レントゲンの異常などがあります。診断はこれらの症状・検査を組み合わせて総合的に判断しますが、すぐには関節リウマチかどうか判断できず、経過を見ながら診断するときもあります。また正常の方の3~5%に血液検査のリウマトイド因子が陽性に出ますし、関節リウマチの患者さんでも15%くらいの方は陰性なので、血液検査だけでは判断できません。
 最近、関節リウマチの新しい診断基準が世界で使用され、より早期に診断がつくようになってきました。診断には経験と知識が必要なので、関節リウマチを疑ったときは必ず関節リウマチの専門医にかかるようにしてください。
 関節リウマチは大変な病気ですが、同じ悩みを抱える患者さんは多く、そのため「リウマチ友の会」などの患者さんが作られたすばらしい会もあります。また、世界中の研究者が原因の究明や治療薬の開発に努力していて、最近では生物学的製剤というすばらしい薬剤がたくさん開発され、関節リウマチの治療も一変しています。

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院長/医学博士 井尻慎一郎
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