仙腸関節炎
※このページは、腰部の「仙腸関節炎」を引用しています。
脊椎の下の方にある仙椎と骨盤の腸骨を結合する大きな関節の炎症です。殿部(でんぶ))の柔らかい筋肉の部位の少し内側の左右にある関節で、交通事故や転落事故でもない限りずれたりはしない、しっかりした大きな関節ですが、ここに関節炎をきたすことがあります。強直性脊椎炎や掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)には特に仙腸関節の病変が伴います。そのような特殊な場合でなくても仙腸関節は痛みを生じることがあります。難治性腰痛の原因の1 つに、仙腸関節炎があるともいわれています。整形外科医のあいだでもこの仙腸関節炎に関して、重要視するグループとそうでないグループと、意見が分かれます。
症状は腰痛および殿部痛が多いのですが、そのほか下肢のしびれや上半身にまで影響があるとの意見もあります。とくに座っているときに症状が出やすいようです。
仙腸関節炎は、レントゲン検査やMRI検査などでもはっきりとした診断をつけにくい病気です。また、治療法もさまざまです。ストレッチや同じ姿勢を続けないなどの生活上の注意に加え、消炎鎮痛剤の経口・局所注射などを組み合わせます。私は詳しくありませんが、一部の医師は関節運動学的アプローチ(AKA-博田法)で治療しています。詳しいことは日本関節運動学的アプローチ(AKA)医学会のホームページ(http://www.aka-japan.gr.jp/)を参照してください。