強直性脊椎炎
※このページは、総論の「強直性脊椎炎」を引用しています。
脊椎、仙せん腸ちょう関節、股関節、膝関節、肩関節などの大関節が主に侵され、強直していく原因不明の病気です。10代後半から20代の男性に発症することが多く、運動時に解消する腰痛、朝の背中のこわばり、背中が次第に曲がってくる、などが特徴的な症状です。症状が1 ヵ所でなく全体に徐々に進むために診断がつきにくく、欧米の統計では初発から診断まで平均7 年かかっているといわれています。血液検査では80~95%でHLA-B27が陽性になります。
原因もはっきりわかっていませんが、筋肉や腱の骨の付着部に炎症が生じて、その部分が徐々に骨化していきます。まだ治療薬がなく、潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)の薬のサラゾピリンなどが用いられたり、痛みに対して消炎鎮痛剤を服用したりすることもあります。人工股関節や、背中が曲がりすぎて上を見られなくてどうしても困るときに脊椎の矯正骨切り術を行うことがあります。最近では関節リウマチに対する生物学的製剤であるレミケードやヒュミラという薬剤が強直性脊椎炎の進行を遅らせる効果があることがわかり、光明が見えてきました。