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成長時痛

※このページは、総論の「成長時痛」を引用しています。

 2 ~12歳くらいの男の子に多く、ケガなどの原因がはっきりしないのに、主に夜に大腿や下腿を痛がる病気です。泣きながら痛みを訴えるほど痛みが強いときもあります。たいていはそばで親が脚(あし)をなでたりしてあげるとけろっと治まります。脚に発赤や腫れなども見られません。私の長男も5~6歳のころ、家で寝ていて突然、片方の脚をばたばたさせて痛がったことが、何回かありました。整形外科医の私でもうろたえました。レントゲンを撮るほどのことではないようですが、ともかく痛がりました。そして数分後には何事もなかったように眠ります。後日、下肢のレントゲンを撮りましたが、特に異常はありませんでした。その後大きくなってからは、症状はまったく出ていません。
 子どもの骨が成長する過程で成長軟骨の弱い部分にスポーツなどで力が何度も加わり、痛みを生じる骨こっ端たん症しょうとして、膝に起こる「オスグッド・シュラッター病」や踵かかとに起こる「シーバー病」なども成長時痛といわれています。このオスグッド・シュラッター病やシーバー病などは部位も診断もわかりやすいのですが、最初に述べたいわゆる「成長時痛」は下肢のどこが痛むのかはっきりしないことが多いのです。類骨腫といって、膝周辺の骨にまれに見られ、夜間に痛がり、アスピリンがよく効く良性の骨こつ腫しゅ瘍ようや、もっとまれには悪性腫瘍などもありうるので、何回も痛がるときは必ず一度整形外科医に受診してレントゲン検査を受けてください。異常がなければ医師と相談して様子を見ればよいと思います。
 原因ははっきりしていません。成長時には骨と筋肉の成長のスピードが異なり、骨のほうが特に夜に早く成長するのでそのアンバランスで痛がるとか、神経質な子どもに多いとか、長男に多いとか、いろいろいわれます。いずれにしても、脚に発赤や腫れなどの異常がなく、レントゲンでも特に問題なさそう、と医師にいわれたときには、痛み止めのクリームなどを、脚をさするように塗ってあげればよいと思います。

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