鼡径部痛症候群(そけいぶつうしょうこうぐん)(groin pain syndrome)
鼡径部を中心に内腿や下腹部、殿部(でんぶ)に痛みを生じる病気で、キックをするスポーツ、特にサッカー選手に多い病気です。鼡径部や股関節、殿部には数多くの筋肉があり、普段はこれらが協調して歩行やジャンプ、キックをしているのですが、その一部あるいは複数の筋肉が使いすぎによって炎症を生じたり、弱くなって不安定になったり、あるいは硬くなって拘縮(こうしゅく)すると、全体の協調性が破綻してこの症候群が生じるといわれています。シーズン初めや長く休んでいて急にサッカーをしたときに、この病気が生じたり、再発したりすることがあります。どの筋肉に起こっているのか、炎症か筋力低下か拘縮かなどについて、整形外科のスポーツ専門の医師や理学療法士、トレーナーと相談しながら適切に診断をつけ、筋力訓練やストレッチなどを組み合わせながら筋群の協調性を回復させるようにします。
一度この病気になると治りにくかったり再発傾向があるので予防が何より大切で、運動前の入念なウォーミングアップと、終わってからのクーリングダウンが必要です。