臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)
新生児期の股関節の開排制限や先天性の要素などにより、股関節の大腿骨頭を受ける側の臼蓋の出っ張りが少ないなど、臼蓋形成不全が生じることがあります。女児に多く、幼少時はほとんど症状が出ないのですが、大腿骨からの荷重を受ける面積が狭いために変形性関節症をきたすことがあります。妊娠して体重が増えたときに初めてこの病がわかることもあります。
臼蓋形成不全の程度や症状に応じて、ジャンプするスポーツなどの制限や日常生活の注意を行い、形成不全が重度のときには変形性股関節症を予防するために臼蓋形成術を行うことがあります。女児や若い女性に多く、手術適応だと考えられても踏み切ることに抵抗がありますが、4~10歳くらいの幼少時に手術をすると傷がきれいになりやすく、結果も良好です。