単純性股関節炎(小児)
3~12歳くらいの男の子に多く、ケガなどの外傷がなく、まったく原因がなかったり、あるいは風邪などのあとに、片方の股関節を痛がる病気です。最初は膝を痛がったり、大腿を痛がることもあります。ふつう発熱などはしません。片方の股関節を少し曲げた格好が最も楽なようです。股関節を深く曲げたり伸ばしたりすると痛がり、歩くときに跛行(はこう)(びっこ)をきたします。外傷説やアレルギー説などありますが、原因は不明です。数日から10日間ほどで自然に治癒します。レントゲン検査ではほとんど異常が見られません。ただ、関節のすき間が反対側の関節より空いていて、そこに水が溜まっている可能性もあります。学童期の男の子が時々股関節や膝の痛みで外来に来られ、診察するとこの単純性股関節炎であることが多く、私の印象では、子どもが気がつかないうちに、小さな捻挫(ねんざ)などのケガをしているのではないかと思っています。化膿性股関節炎 やペルテス病(次項)と鑑別をする必要があります。おかしいと思ったら、ぜひ整形外科を受診してください。