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骨髄炎

 骨が細菌に感染して炎症が起きたり膿が溜まった状態です。急性と慢性があります。急性骨髄炎は、骨が皮膚から飛び出すような開放性骨折に伴って直接細菌が骨に入り込んだり、扁桃腺や尿路などから細菌が血管に入り関節に到達して感染します。からだの深い部分で骨がズキズキ痛むようになり、悪化すると皮膚まで発赤や腫れを生じ、膿が出てくることもあります。骨は周囲が皮質骨という硬い密な骨でできていますが、内部は海綿骨という、柔らかくて網の目状の構造になっています。骨は血行があまりよくないので、一度細菌が感染すると抗生剤なども到達しにくく、治りにくいのです。場合によっては、手術で骨の一部を開き、内部の感染した組織をできるだけ除去し、さらに抗生剤を還流させるためのチューブを留置することもあります。
 急性骨髄炎が治癒しないで何年も継続する場合、慢性骨髄炎といいます。からだの免疫力が低下したときなどに感染が増悪し、炎症が生じたり、膿を排出したりします。こうなると、患部の骨は血行がますます悪くなっていて、抗生剤を注入してもほとんど効果がありません。悪くなった骨をできるだけ摘出し、血行のよい血管付きの骨移植をしたり、筋肉の充塡(じゅうてん)をするなどが試みられますが、今日でも完治しないことが多い病気です。

井尻整形外科井尻整形外科

院長/医学博士 井尻慎一郎
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