デュピュイトラン拘縮(こうしゅく)
手のひらの手掌腱膜が肥厚して拘縮する原因不明の病気です。はじめは手のひらの薬指や小指の屈筋腱に沿って凸凹の腫瘤を触れますが、痛みは通常ありません。数年から数十年かけて徐々に進行して薬指や小指が伸びなくなり(屈曲拘縮)、日常生活に不便を感じて初めて医師を受診されることも多い病気です。北欧系の人に多いといわれていますが、日本人でも時々患者さんが来られます。軽度のときは指を伸展するストレッチを指導します。薬指や小指の拘縮が高度になり、日常生活に不便を生じた場合は、手術で腱膜切開手術や腱膜切除手術を行いますが、指の神経などが絡んでいることがあり、手の外科の専門家に手術をしてもらうべきです。
最近、この拘縮を治療する注射薬が欧米から導入され、国内でも使えるようになりつつあります。