偽痛風
60歳以上、主に70~80代の女性がケガなどの原因がないのに急に手関節が腫れて強い痛みを生じた場合、偽痛風という病気による関節炎であることがしばしばあります。関節を動かすと激烈な痛みがありますが、感染による関節炎とは違って発赤などは見られず、痛みが強いわりには全身症状は落ち着いている印象です。関節穿刺(せんし)で濁った関節液が吸引できて、その液の顕微鏡的検査でピロリン酸カルシウムの結晶が観察されれば偽痛風性関節炎と診断されます。結晶が顕微鏡で見られないこともあり、この場合、細菌感染による 化膿性関節炎 との区別が難しくなります。症状は湿布や消炎鎮痛剤の服用で2~3日以内に徐々に軽減し治ってしまいます。医師が感染ではないという診断に自信があれば、ステロイドを関節内注射すれば劇的に痛みや腫れが引きます。
総論の「偽痛風」もご覧ください。