ギヨン管症候群(尺骨管症候群)
尺骨神経が手関節部で手根骨や靱帯(じんたい)・筋肉により締め付けられ、麻痺を生じる病気です。手のひらの小指側のしびれや知覚鈍麻、小指の運動麻痺などをきたします。原因は手関節部の打撲や圧迫、職業やスポーツによる反復性の小外傷、ガングリオンなどの腫瘍による圧迫などがあります。
打撲などでは自然に治癒することが多いのですが、ガングリオンなどの腫瘍の場合は取り除く必要があります。頚椎性や肘部管症候群との鑑別が大切です。ビタミンB12の投与も行われます。
前項の肘部管症候群とギヨン管症候群は同じ尺骨神経障害ですが、神経が狭窄(きょうさく)される部位が違うため、ギヨン管症候群では手のひら小指側のみしびれが生じます。