野球肩
野球や水泳など肩を挙上する動作の繰り返しによって生じる肩関節障害の総称です。さまざまな原因がありますが、特に少年野球で上腕骨に近い部位の成長軟骨に骨端線離開を起こした場合を「リトルリーガーズショルダー」といい、投球を最低2~3ヵ月中止する必要があります。大人では肩峰下滑液包炎、腱板損傷、関節唇損傷、肩関節不安定症などが単独あるいは複合して原因となります。
投球フォームの問題や過度の投球、あるいは下半身のバランスの悪さなど総合的に診断して、投球動作の改善や下半身筋力の強化、肩関節のインナーマッスル(肩甲下筋、棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋、小円筋)のストレッチと強化などの総合的な治療を、専門医と理学療法士やトレーナーと共同しながら進めます。
関節唇の損傷や骨の骨棘(こつきょく)がある場合などに関節鏡による小さな侵襲(しんしゅう)の手術を行うこともあります。