側弯症(そくわんしょう)
痛みなどによる側弯症や、下肢の脚長差による側弯症などの機能的側弯症は、その原因を治療すれば改善されます。
上記の側弯とは異なる構築性側弯症には原因不明の特発性側弯症や椎体の先天性奇形による先天性側弯症、神経や筋疾患によって生じる神経筋性側弯症、神経線維腫症側弯などがあります。ここでは全側弯症の70~80%を占める特発性側弯症について述べます。
特発性側弯症には3歳未満の乳幼児に発症し男児に多い乳幼児側弯症、3歳ごろから10歳ごろまでのあいだに発症する若年性側弯症、11歳以上の女子に多い思春期側弯症があります。多くは学校検診で指摘され、整形外科を受診します。視診では両肩の高さが異なったり、お辞儀をしたときに左右の肩甲骨の突出具合が異なったり、ウェストラインの非対称などが見られます。経験の深い整形外科医に受診することが大切で、レントゲン検査で側弯の程度や骨年齢を計測します。特発性側弯症は成長期に進行することがよくあるので、骨盤のレントゲン写真から骨年齢を評価し、まだ成長期にあるときは注意深く経過を追って側弯の程度を診る必要があります。
治療ですが、Cobb法(最も広く用いられている、レントゲン検査による側弯の角度の計測法)で10~15度以下の場合は正常範囲と考え、20~50度の場合は装具などの保存療法が選ばれます。それ以上の場合、多くは手術療法が必要です。
軽度の側弯でも成長期の場合は増悪することがあるので、必要があれば6~12ヵ月後にもう一度診察などを受ける方がよいと思います。また、側弯体操をしたり、スポーツなどをして筋力を強化することも大切です。