オスグッド・シュラッター病
12~13歳ごろのサッカーや陸上競技などのスポーツをする男子に多い病気です。膝蓋骨(しつがいこつ)のすぐ下で膝蓋腱が脛骨(けいこつ)粗面に付着する部位に痛みを生じます。少し進行するとレントゲン検査で脛骨粗面の膨隆や分節化などの異常陰影を認め
ることがあります。
14~15歳になって骨端軟骨板が閉鎖するまでは脛骨近位端の骨端軟骨板が脛骨前面で膝蓋腱の付着部である脛骨粗面の下部に潜り込んでいます。骨端軟骨は力学的に弱いため、膝をよく使うスポーツをするとこの部分に負担がかかり、変形や痛みを生じるのです。特に小学生から中学生になってスポーツクラブに入るとスポーツのレベルが高くなります。大人に近いからだを持った中学3年生とまだ子どもの骨を持った中学1年生とが同じスポーツをするために、骨端軟骨の弱い部分に障害が出るのだと思われます。
基本的には使いすぎによる障害なので、スポーツなどを中止するか軽減します。骨端軟骨板が消失して骨化する15歳ごろにはほとんどの方の痛みが消失するのですが、スポーツをしたい盛りの少年にスポーツを禁止させることは困難です。実際には消炎鎮痛剤の湿布やクリームを用いながら、症状に応じてスポーツをペースダウンしていけば、スポーツをやめる必要はないでしょう。