反張膝(はんちょうしつ)(はんちょうひざ)
小児は関節などが柔らかいため、正常でも少し膝が反張する(逆に反る)ことがよくあります。X脚を心配して来院される方には、この反張の膝傾向であることがしばしばあります。O脚(内反膝)を合併することもあります。およそ15度~20度までの反張は正常範囲内ですが、それ以上反張したり、15度ほどの反張でも走行時に引っかかったりして、日常生活に支障があることがあります。成長期に大腿骨や脛けい骨(けいこつ)の骨端軟骨板に外傷を受けて変形治癒した場合や、不適切な鋼線牽けん引いんなどによる反張膝もあります。また、生後から反張膝を伴う、先天性反張膝もあります。全身の関節などに緩いMarfan(マルファン)症候群やEhlers-Danlos(エーレルス・ダンロス)症候群がないかどうか調べる必要があります。それらの全身性の病気でないときは、新生児や幼少時は装具などでかなりよくなります。15~20度以上の反張で日常生活に支障があるときは手術が行われることがあります。私が開業前に勤務していた神戸市立医療センター中央市民病院では3例の手術がありました。手術方法に関しては、『新OS NOW』という手術書に私が執筆しました(メジカルビュー社、26巻、p.80)。