膝関節の緩み
膝関節は、スポーツにおいても段差を飛び降りるなどの日常生活においても、いわゆる捻挫(ねんざ)の範囲を超えたケガである内側側副靱帯損傷(ないそくそくふくじんたいそんしょう)、外側側副靱帯損傷、前十字靱帯損傷、後十字靱帯損傷や内外の半月板損傷をきたすことがしばしばあります。この本ではケガに関してはほとんど説明しませんが、膝の関節痛で来院される患者さんの中に、たとえば数年前に膝を捻挫してその後時々痛みがあり、最近痛みが強くなってきた、というような病歴の方がおられます。内側側副靱帯損傷が生じてそのままになって、緩みが残り、関節炎や変形性関節症を起こしていることが診察でわかる場合がたまにあります。ケガはやはり最初が肝心で、きっちりと固定をしたり、場合によっては手術も必要なことがあるので、まずは整形外科を受診してください。数年前の古いケガで緩みがある場合は大腿四頭筋の強化で緩みを少なくするような運動療法を行います。