色素性絨毛結節性滑膜炎(しきそせいじゅうもうけっせつせいかつまくえん)(PVS)
関節の内側にある滑膜に絨毛状、結節状の腫瘤(しゅりゅう)をきたし、出血を繰り返す良性腫瘍です。びまん型と限局型があります。膝関節に多く発生しますが、股関節、足関節、肩関節などにも起こります。
比較的若い方の膝関節などで関節血腫を繰り返すときは、この病気を考える必要があります。MRI検査や関節鏡検査で診断し、手術で除去しますが、びまん型のタイプでは関節を開いて観血的に滑膜切除しても少し残存することがあり、再発もありえます。今のところ、効果的な薬もなく、放射線も無効といわれています。しかし悪性ではないので生命予後の心配はありません。放置して、変形性関節症に移行しないように、やはり滑膜切除術などを受ける必要があるでしょう。
案外この病気は少なくないようで、相談に来られた方も含めれば、私は膝関節2例、足関節2例、肩関節1例、股関節1例の経験があります。