O脚(内反膝)
乳幼児のときは誰でもO脚で、2~6歳ごろにX脚になっていきます。幼児や青年期になってもO脚であると、それを気にして来院される方が時々あります。そのほとんどは心配なく、また左右にあまり差がないときにも心配は少ないのですが、時にブラウント病といって、脛骨(けいこつ)内側の骨端軟骨板の成長障害による場合があります。またクル病といってビタミンDの代謝障害によっても起こりますが、最近のニュースで、子どもを紫外線に当てないようにする親が増えたためクル病が増えているとありました。そのような病的な場合、幼少時には装具などで矯正することもあります。青年期の場合はよほど病的でない限りそのまま経過を観察します。子どもの病的なO脚に対して、イリザロフという骨延長器を用いて大きな傷を残さずに矯正する方法が開発されています。中高年の変形性膝関節症で、痛みなどが保存的に治療できない場合、高位脛骨骨切り術という手術が行われることがあります。