頚椎椎間板ヘルニア
椎間板の変性により、髄核が後方や後側方に脱出し、脊髄や神経根を圧迫する病気です。第5~6頚椎間、第6~7頚椎間、第4~5頚椎間の順に多くみられます。頚部や肩の痛みを生じたり、脊髄性の場合は手全体や下肢の麻痺、しびれなどを生じ、神経根性の場合は片方の上肢に放散する痛みやしびれ、麻痺を生じます。
レントゲン検査では診断がつきにくい場合、MRI検査を行って部位や大きさを確認します。
治療としては、頚椎の安静が大切です。場合によっては頚椎カラーを装着します。さらに牽引(けんいん)、消炎鎮痛剤や筋弛緩剤の投与を行い、手のしびれに対してはリリカ、ビタミンB12の投与、適正な高さの枕の使用(あまり低すぎて過伸展にならないように)など日常生活に注意します。
保存的治療ではどうしても治癒せず、痙性(けいせい)歩行障害や手指巧緻(こうち)運動の障害や排尿障害をきたしたときは手術療法を選びます。