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結核性頚椎炎(カリエス)

※このページは、背部、胸椎の「結核性脊椎炎」を引用しています。

 40~50年前の整形外科では結核性脊椎炎(カリエス)が代表的な病気でした。抗結核薬の開発とともに結核性脊椎炎は激減しました。しかし、総論でも説明しましたが(「結核性関節炎」)、日本は世界の先進国の中で結核患者数がとても多い国です。
 私が以前勤務していた神戸市立医療センター中央市民病院の整形外科でも平成3~9年の7年間で10人の結核性脊椎炎の患者さんがおられました。化膿性脊椎炎(一般細菌による脊椎炎)に比べて発熱などの炎症所見が少ないため、患者さんも軽く考え、医師も見逃すことがあります。
 症状としては、一般細菌による感染と異なり、発熱などの炎症所見が比較的少ないため、初期の段階では診断がつかないこともあるので注意が必要です。軽度の易疲労感、寝汗、微熱、また子どもの場合には不機嫌や行動の不活発が見られるほかにはあまり強い症状はありません。背中の痛みは鈍痛であることが多く、曲げ伸ばしがしにくくなる程度です。
 治療としては安静と抗結核薬の投与が必要です。必ず整形外科の専門医に診てもらいましょう。同時に呼吸器内科医にも相談します。膿のう瘍ようができているときなどは手術が必要です。最近では、手術で病巣郭かく清せいと固定をした方が日常生活に早く復帰しやすいと考える整形外科医が増えています。

井尻整形外科井尻整形外科

院長/医学博士 井尻慎一郎
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