リウマチ性脊椎炎
関節リウマチでは脊椎にも症状がよく出ます。一般的に椎間板が狭小しやすく、脊椎の後方の椎間関節も変形をきたしやすくなり、内部を通っている脊髄を圧迫することがあります。この場合、手足などに痛みやしびれや麻痺を生じる可能性があります。頚椎の1番目(環椎(かんつい))と2番目(軸椎(じくつい))は特殊な構造になっていて、2番目の軸椎の歯突起と1番目の環椎が首の回旋を担っているのですが、関節リウマチの病変によってこの部分に炎症が生じて緩み、不安定になることがあります。下を向くと頭の重みで第1 頚椎から上が前方へさらに脱臼(だっきゅう)しやすくなります。これを環軸椎亜脱臼とよび、悪化するか環軸椎脱臼を生じると、場合によっては頚髄の圧迫で四肢麻痺にいたります。関節リウマチの患者さんは首が痛い、手足がしびれるというようなときは必ず整形外科を受診して頚椎のレントゲン検査を受けてください。亜脱臼では頚椎カラーを装着したり、脱臼で麻痺を起こしているときや起こしそうなときには手術で環軸椎を固定します。