尖足(せんそく)、尖足拘縮(せんそくこうしゅく)
足関節が底屈(下方)になり背屈(上方)に動かせない状態です。脳梗塞(のうこうそく)や脳出血などの麻痺でしばしば尖足が見られます。また、脳性麻痺、小児麻痺、筋ジストロフィーの小児でも尖足はしばしば見られます。坐骨神経麻痺が重度の場合にも生じます。そして必ずしも治療されずにそのままになっていることも多いという印象を受けます。矯正は必ずしも簡単にはできないこともありますが、たとえ夜間だけでも矯正の装具を付けた方がよいと思われます。簡単なシューホーンタイプ(靴べらタイプ)の装具なら靴が簡単に履けて、歩きやすくなります。また、変形が進むのを予防する効果があります。必要に応じて運動療法が必要でしょう。
場合によってはアキレス腱延長術などを行うことがあります。小児の場合は下腿の成長に応じて2 回以上アキレス腱延長術を必要とすることもあります。腱の延長術は麻酔がかかっているので筋肉の緊張具合が手術中にわかりにくく、どのくらい延長すればよいのか悩みます。延長しすぎると筋力が落ちてしまうし、足りないと手術の効果が少なくて患者さんに不満が残ります。
足関節の「下垂足、腓骨神経麻痺」もご覧ください。