離断性骨軟骨炎
※このページは、足関節の前面の「離断性骨軟骨炎」を引用しています。
野球肘や膝関節の項でも離断性骨軟骨炎の説明をしましたが(肘の「離断性骨軟骨炎」、膝関節の「離断性骨軟骨炎」)、足関節の下側の骨である距骨の内側部分の軟骨が剝がれて痛みを生じる病気です。多くの場合、捻挫(ねんざ)を繰り返して関節が緩いために骨と骨がぶつかって生じますが、緩みがなくても起こることもあります。足関節前方内側に痛みを感じることが多く、歩行やしゃがみ込むような動作で痛みます。湿布やクリームを使いつつ足関節をいろいろな方向に回す体操が効果的です。捻挫用の装具や外側楔状板(けつじょうばん)(アウターウェッジ)とよばれる足の裏の外側を高くして内側の圧力を下げる装具も有効です。重度の場合には手術が行われます。
以前、私の医院のホームページを見て大阪からわざわざ足関節の痛みで来院された30代の女性がおられました。痛い場所が足関節の前方内側だったので、レントゲン検査に行く前に「離断性骨軟骨炎かもしれません」と一言いうと、「なぜそれがわかるのですか? 今まで5軒大阪の整形外科に受診して診断がつかず、6軒目でようやく離断性骨軟骨炎の診断がついたけれど治療の方法がないといわれて、こちらの医院を受診したのです」とのことでした。レントゲン検査の前に診断名を言って、検査後違う病名だとわかって恥ずかしい思いをしたこともあるので迂う闊かつなことは言わない方がよいのですが、レントゲン検査をしてもやはり典型的な距骨内側の離断性骨軟骨炎でした。初期にはレントゲン検査で変化が出ないので後で診察する医師の方がアドバンテージはありますが、部位が特徴的なのでそう感じたのでした。足の体操と足関節を外反するように固定する捻挫用の足関節の軟性装具を処方したところ、2回目に来院されたときはかなり症状がよくなり、感謝されました。