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種子骨障害(足趾屈筋腱炎)

 種子骨とは腱や靱帯(じんたい)の中にあって、腱の摩擦を軽減したり、腱を外力から守ったり、筋力を効率よく発揮できるように働く骨で、膝の膝蓋骨が人体最大の種子骨として有名ですが、手や足にも見られます。
 第1趾の付け根のMTP関節の底の部分には楕円形をした小さな種子骨が2本の短母趾屈筋腱内に存在しています。この部分はからだの中で一番下にあり、しかも歩行時やランニング時は片脚のつま先部分で全体重を支えるために、短母趾屈筋腱の炎症、種子骨の骨折、骨壊死症などいろいろな障害が出ます。もともと二分している種子骨も多く、骨折との鑑別も大切です。つま先立ちをしたり踏み込む動作の多い、バレエダンサー、陸上選手、バスケットボール選手などで小学生や中学生から大学生までの若い人に多い病気です。原因がはっきりしていて、その原因を減らすことができれば一番よいのですが、必ずしもそうはいかないことも多くあります。初期では踏み込む動作時に痛みを感じるだけですが、ひどくなると安静時でもズキズキ痛みを生じ、歩行が困難になることもあります。足の裏全体に体重を分散できるアーチサポートや種子骨部分をくりぬいたサポーターも有効です。湿布やクリームを使います。痛みが強ければケナコルトAなどのステロイドホルモンを0.5mg程度1~2回に限って局所注射すれば痛みも炎症もかなり軽減します。種子骨が血行障害で壊死になっているときは手術で摘出すると痛みが軽減することもあります。

井尻整形外科井尻整形外科

院長/医学博士 井尻慎一郎
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