捻挫(ねんざ)
多くの場合、足首を内側および下方へねじって受傷します。捻挫は関節に外力が加わり、関節包(カプセル)や靱帯(じんたい)や筋肉、腱が部分断裂した状態です。靱帯が完全に切れている場合も捻挫といいますが、最近では靱帯損傷として区別することも多いようです。さらに関節面がずれたり、外れた場合は亜脱臼(あだっきゅう)、脱臼 といいます。
最も多い、距骨(きょこつ)と腓骨(ひこつ)をつなぐ靱帯の前距腓 靱帯(ぜんきょひじんたい)損傷のタイプの捻挫は、足関節の外くるぶしの少し前方、下方の部分に腫れと圧痛があります。足関節を内反(うちがえし)(左右の足の裏をあわせるような動き)すると、この部分に痛みを生じます。靱帯損傷が軽い場合は保存的に治療します。テーピングや装具で外反(そとがえし)(足の裏をうちがえしと反対に反らす動き)位に固定します。靱帯損傷が重度の場合や、踵骨(しゅこつ)と腓骨をつなぐ踵腓靱帯や、後距腓靱帯、前脛腓靱帯の損傷などを合併し、関節の緩みが強そうなときは、ギプス固定やあるいは直接縫合の手術をする場合があります。
保存治療にしても手術にしても、その後のリハビリは大切です。装具の場合は受傷後数日から1 ~ 2週間の間に足関節の運動療法を始めます。はじめはゆっくり、徐々にしっかりと足関節を自分でいろいろな方向に動かします。関節は動かして使うものです。最初は安静でも時期がきたら動かして治すようにしましょう。
総論の「捻挫」もご覧ください。