変形性関節症(強剛母趾きょうごうぼし)
外反母趾、痛風に続いて3番目にこの部位に多い病気です。外反変形も少なく、発赤や腫脹がなく、でも歩くと足の親指(第1趾)の付け根が痛む場合に、レントゲン検査をすると、膝などでよく見られる変形性関節症があることがしばしばあります。歩くとき、蹴り出しは片足の第1趾~第5趾の付け根(MTP関節)で行います。特に第1趾は最も力がかかる部分です。つまり、普段からかなりの負担がこの部分にかかっています。そのために、この関節の軟骨や骨が変形してくると思われます。外来で診ていると案外多い病気ですが、ほとんど教科書などには記載されていない病気です。
治療ですが、痛みに対しては湿布を貼ったりクリームを塗ったりするのですが、薬を飲むほどではないことが多いようです。靴はなるべくヒールが低くて、窮屈でない履きやすいものを選ぶ必要があります。それでも痛みがある場合、なかなかよい方法がないのですが、足底板(アーチサポート)を足に合わせて作成し、歩くときに靴の中に入れるか、室内用にマジックベルトを装着するのも効果的です。最近は痛み止めのテープやテーピングを利用して、第1趾を内側に引っ張るように固定する方法を患者さんに勧めています。これは多少効果があるようです。外反母趾用のゴムのゆびはさみも多少効果があるようです。